台湾TSMCが菊陽町進出検討 半導体大手 ソニーと共同で

熊本日日新聞 | 2021年10月14日 06:29

菊陽町の第二原水工業団地(仮称)。ソニーグループはTSMCに新工場用地を準備する形で協力するとみられ、造成工事を進めている。右奥はソニーセミコンダクタマニュファクチャリング熊本テクノロジーセンター=4日(後藤仁孝、小型無人機で撮影)

 半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループが共同で、熊本県菊陽町に半導体生産の新工場を建設する方向で検討を進めていることが13日、分かった。日本政府は先端半導体工場を国内に誘致する意向を表明しており、総事業費の半分程度を補助できるよう調整に入った。衆院選後に編成する2021年度補正予算案に整備支援の関連費用を盛り込む方針だ。

 TSMCが日本に工場を建設するのは初めて。関係者によると、新工場は来年春にも建設を始め、2025年のフル稼働を目指すという。

 半導体は、デジタル化の進展や米中の技術覇権争いで経済安全保障上の重要性が増している。高性能な半導体の生産拠点整備には多額の資金が必要で、TSMCの総投資額は8千億円規模になる見通し。日本政府は、その半額をめどにした補助を協議している。

 新工場は菊陽町にあるソニーグループの半導体生産子会社、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの画像センサー工場の隣接地に建設する計画という。ソニーは用地を準備する形で協力するとみられ、町から取得する予定の「第二原水工業団地(仮称)」で8月末に造成工事に着手している。

 ソニーは画像センサーに使うロジック半導体の生産の大半を、すでに外部企業に委託している。新工場で生産する半導体の大口顧客になり、安定的な調達態勢を整えられれば、メリットは大きい。新工場では自動車向け半導体も生産する見込みだ。

 熊本県は、第二原水工業団地の下水道整備工事を菊陽町から受託。町の予算を使い、3年間かけて工事を進めるなど、誘致に大きな期待を寄せている。

 蒲島郁夫知事は13日の定例記者会見で「TSMCからの連絡はまだない。世界最先端の半導体が熊本で生産されれば、日本の経済の安全保障にも大きく貢献する」と述べた。

 熊本日日新聞の取材に対し、TSMCは「ノーコメント」と回答。ソニーグループも「コメントできない」としている。(潮崎知博、田上一平、福山聡一郎)

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