球磨川治水、想定最大流量1・2倍に 国交省変更案 人吉で毎秒8200トン

熊本日日新聞 | 2021年09月07日 07:50

 熊本県の球磨川水系の治水対策を見直している国土交通省は6日、洪水の想定最大流量を基準地点の人吉と横石(八代市)でそれぞれ1・2倍程度引き上げる変更案を社会資本整備審議会小委員会に示した。昨年7月豪雨と同規模の洪水では、ダムなどの新たな洪水調節施設を整備しても、多くの区間で安全の目安となる水位を超えるとの検証結果も明らかにした。

 想定最大流量の「基本高水ピーク流量」は、ダム建設や河川改修などの長期的な方向性を定めた「河川整備基本方針」の基礎となる。国交省は温暖化による降雨量増加を踏まえ、中流域の人吉で現行の毎秒7千トンを8200トンに、それより下流の横石で毎秒9900トンを1万1500トンに変更するとした。

 これに対し、河道に流せる「計画高水(河道配分)流量」は、市街地が迫る人吉では河川改修による上積みが困難なため毎秒4千トンで据え置き。横石では河道の掘削によって毎秒8300トンまで増やす。基本高水との残りの流量差は、支流・川辺川の新たな流水型ダム整備や市房ダム(水上村)の機能強化、遊水地などの洪水調節施設でカットする。

 一方、昨年7月豪雨の降雨実績は、気候変動に主眼を置いて変更した今回の想定雨量も大きく超過。このため再び同規模の洪水があれば、ダムなどで洪水をカットしても人吉市から球磨村、八代市にかけて安全に流せる基準水位(計画高水位)を上回る結果となった。ただちに越水の恐れがあるわけではないが、水位の超過高は最大1メートルになる。

 国交省は、ソフト対策も含めた「流域治水」の重要性を強調。河川管理者と流域の自治体、住民が連携して一層の水位低下や被害の最少化に取り組むとした。今後、小委員会に続いて審議会にも意見を聴き、年内をめどに球磨川水系の基本方針変更を目指す。(福山聡一郎)

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