シェアハウス、菊池の活力に 「コッコファーム」の松岡会長 定住促進、地域の担い手期待

熊本日日新聞 | 2021年08月01日 11:07

 熊本県菊池市森北で鶏卵生産などを手掛ける「コッコファーム」の松岡義博会長(72)が、近くの複合施設「白金の森」の敷地内にシェアハウスを整備した。「菊池発・移住体験から定住へ」をコンセプトに、起業や定住を目指す独身男性を対象に入居者を募集。行政に頼らない民間主導による地域活性化を見据える。

複合施設「白金の森」敷地内に建てられたシェアハウスのリビング。地域を担う人材の育成を目指す=菊池市

 「若者が切磋琢磨[せっさたくま]しながら、学び、成長する拠点にしたい。そして地域づくりの原動力になってほしい」。6月下旬、市役所で開いた記者会見で、松岡会長は力を込めた。事業費1億円を投じた“攻めの姿勢”からは、「少子高齢化が進む古里に貢献したい」との強い思いがにじむ。

 背景には、この半世紀で一変した古里を取り巻く状況があるという。市の人口は2000年の5万2千人台をピークに、現在は4万7千人台にまで減少。19年の高齢化率は33・5%で県内市町村では36番目と低い方だが、人口増が続く合志市や菊陽町など近隣自治体の中では最も高い。

 松岡会長は1949年、菊池市の農家に生まれた。69年に脱サラした後、400羽で養鶏場を創業。81年に法人化し、鶏卵・鶏肉の生産を中心に事業を徐々に拡大していった。2011年開業の複合施設「たまご庵」では鶏卵や農家から仕入れた農産物などを販売。年間110万人が訪れる観光名所になった。

 半世紀前から温めてきた「森北周辺農業公園構想」に基づき、事業を展開。コッコファーム一帯に複数の観光施設を整備するなど、地域全体の活性化に取り組んできた。18年には構想の中核の一つである「白金の森」が開業。約5ヘクタールの里山に、温泉や宿泊施設、レストランを建てた。

 創業時から古里への強い思いを抱く松岡会長だが、シェアハウスを“集大成”と位置付ける。木造一部鉄骨造り平屋で、床面積は約250平方メートルで、中央のLDKを取り囲むように個室8室を配置。入居者が起業や結婚を経て定住し、地域の担い手として巣立っていくことを期待する。

菊池市の発展に関する連携協定の締結式で、江頭実市長(右)と肘タッチする松岡義博会長=同市

 6月には市と地域社会の発展に関する連携協定を締結。入居者に市主催の起業セミナーへの参加を呼び掛けるなど、行政との連携も模索する。江頭実市長は「若者が夢を語る場になってほしい。全力でバックアップする」と支援を約束。松岡会長は「私が親代わりとなり、入居者の人生を一緒に考えたい。活力ある地域づくりに貢献できる人材に集まってほしい」と話す。

 家賃は月5万円(共益費込み)。対象は30代以上の独身男性で、8月から住める。入居期間の上限は1年。希望者は松岡会長らが面接する。白金の森TEL0968(24)6600。(植木泰士)

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