聖火リレー、熊本照らす 地震と豪雨被災地など、168人トーチつなぐ

熊本日日新聞 | 2021年05月06日 22:06

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、熊本城二の丸駐車場を周回するコースで開催された熊本市の聖火リレー。中央は最終ランナーの末續慎吾さん=6日午後8時40分ごろ、同市中央区(石本智)

 東京五輪の聖火リレーが5、6の両日、熊本県内13市町村を巡り、13~94歳の走者168人がトーチをつないだ。2016年4月の熊本地震、20年7月豪雨の被災地では、聖火に復興の思いを託した。感染が広がる新型コロナウイルスに警戒しながら、沿道ではマスク姿の観衆が拍手でランナーを出迎えた。

 初日は、雨が降る人吉市を出発。球磨川を渡って豪雨で浸水した市街地を抜け、国宝の青井阿蘇神社へ。走者は「人吉頑張ろう」と声を掛け合い聖火を受け渡した。水俣市では最終走者を乗せた船が、大漁旗を掲げた漁船を引き連れて恋路島へ向かった。

 天草市では市中心部を駆け、宇土市はくまモンの生みの親、放送作家の小山薫堂さん(56)らが走った。初日ゴールの八代市では、バドミントン元五輪代表の陣内貴美子さん(57)が最終走者を務め、聖火皿に火をともした。

 6日は、震度7を2度観測した益城町をスタートし、区画整理など復興事業が進む街並みを進んだ。南阿蘇村では、3月に架け替えられた新阿蘇大橋を東海大九州キャンパスの学生が渡った。阿蘇市では、復旧が続く阿蘇神社の楼門前で氏子会長の小代勝久さん(86)がトーチを掲げた。

 聖火は菊池市から山鹿市、和水町、玉名市をつなぎ、和水町では日本初の五輪マラソン選手、金栗四三の生家近くを走った。

 ゴールの熊本市では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、公道でのリレーを中止。天守閣が復旧した熊本城の二の丸駐車場で、観客を入れずに走者が周回した。最終走者として聖火皿にともしびを移した陸上の元五輪代表の末續慎吾さん(40)は「(熊本城を見て)熊本地震からやっとここまで来たと感極まった。被災から復興している熊本の強さを伝える聖火リレーになった」と語った。

 聖火リレーは3月25日に福島県で始まり、熊本は19府県目。次は長崎県で7、8日に行われる。(聖火リレー取材班)

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