出張散髪で豪雨被災地に笑顔を 熊本市の美容師、芦北町でボランティア

熊本日日新聞 | 2021年04月18日 08:30

美容師の八木淳治さん(左)に髪を切ってもらう住民=芦北町

 熊本市西区で美容室「J‘sヘアー」を営む八木淳治さん(63)=同区=は、昨年7月の豪雨で甚大な被害を受けた芦北町の吉尾地区で、散髪のボランティアを続けている。約2カ月置きの活動は6回を数える。被災住民らは「道路状況が悪く、町中心部の美容室に行くのは大変なので本当に助かる」と喜んでいる。

 地区を流れる球磨川や支流の吉尾川が氾濫し、多くの住宅や旅館が2階まで浸水。町外の親類方や町内の建設型仮設住宅で避難生活を続ける世帯も多い。地区と町中心部を結ぶ県道は復旧工事が続いている。

 八木さんは、地元の吉尾郵便局の瀬口秀子局長(63)と小中学校の同級生。「何かできることはないか」と瀬口局長に申し出たところ、「髪を切ってほしい」という住民の要望を聞き、昨年8月から支援を始めた。

 郵便局内の一角に、椅子とテーブル、鏡を置いて簡単なカットスペースを作り、八木さんが午前9時から午後4時まで対応。毎回10人前後が切ってもらうという。

 6回目となった14日、初めての小学生4人を含む13人が利用。伸びた髪を数センチ切った近所の松本ヨシさん(94)は「散髪はもう4回目。本当にありがたい」と笑顔で話した。

 顔なじみが町外や地区外に転居し、会話が減った高齢者も多い。散髪は「昔は豆腐店をしていた」「最近暖かくなって出掛けやすい」などと、世間話で盛り上がる機会にもなっている。八木さんは「被災者に少しでも喜んでもらえたらうれしい」と、今後も支援を続けるつもりだ。(山本文子)

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