ウクライナで怒りの追悼 「平和を」抵抗の地におえつ響く



【イルピン共同】私たちに「公正な平和」を―。墓標の前でおえつが響いた。ロシアの侵攻が始まってから3年となった24日。首都キーウ(キエフ)に向かうロシア軍と、抵抗するウクライナ軍の間で激戦が繰り広げられた近郊イルピンの墓地では遺族らが追悼に訪れ、悲しみと怒りに声を震わせた。
戦死した軍人ら約90人を埋葬する町外れの墓地には、青と黄色のウクライナ国旗がたなびいていた。軍人だった息子=当時(23)=を東部ドネツク州バフムトで失ったオレナ・ロマンさん(57)は墓標にピンク色の花を手向け、「こんな野蛮なことは起きてはいけない」と涙を流した。
キーウ中心部はこの日、侵攻3年に合わせた要人の訪問に備えて厳戒態勢が敷かれた。屋外で展示されている、ロシア軍が侵攻に使った装甲車やミサイルの側面には「ウクライナ軍に栄光を」と多くの文字が書き加えられていた。