ロシアに和平意欲「なし」と警戒 ウクライナのシンクタンク所長

ウクライナのシンクタンク「新欧州センター」のアリョーナ・ヘトマンチュク所長が来日し、21日までに共同通信の取材に応じた。トランプ米政権がウクライナの頭越しにロシアに接近し、和平交渉を進めようとしていることに対し、強い警戒感を表明。ウクライナへの軍事攻撃や圧力は激化しており「ロシアは真剣に和平を達成しようとしていない」と訴えた。
ヘトマンチュク氏は日本政府関係者や専門家との意見交換のため来日。米国が停戦に向け具体的な行動を示したことは「歓迎する」とした上で「ウクライナが受け入れられる内容でなければ持続的な合意にならない」と強調した。
トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領を「独裁者」と呼んだことについて「ウクライナでは民主主義が生きている。事実に基づいて終戦に向けた議論をし、時間を無駄にすべきではない」と反発した。
米国は民主主義陣営のリーダーであるべきだとし、ロシアのプーチン大統領が合意を守らないことは「歴史が証明している」とも述べ、交渉の行方を悲観した。