米、ケネディ厚生長官承認 反ワクチン発言で批判
![ロバート・ケネディ・ジュニア氏(ゲッティ=共同)](/sites/default/files/images/newspack/2025-02PN2025021401000150.-.-.CI0003.jpg)
【ワシントン共同】米上院本会議は13日、トランプ大統領が厚生長官に指名したロバート・ケネディ・ジュニア氏(71)の就任を承認した。ケネディ氏はホワイトハウスで宣誓して就任。製薬会社などの影響を排除し、透明性を高めると述べた。ワクチンに懐疑的な発言で批判されたほか、感染症を巡る陰謀論を主張したこともあり、資質が疑われていた。
厚生省は健康医療行政を主導し、ワクチン推奨など公衆衛生を担う疾病対策センター(CDC)を傘下に持つ。
ケネディ氏は1963年に暗殺された民主党ケネディ大統領のおい。環境問題を扱う弁護士出身で、反ワクチンとして有名な団体の幹部を務めたことがある。新型コロナウイルス禍について「仕組まれたもの」と主張。過去には予防接種と自閉症を結びつける発言をして物議を醸した。
今年1月の上院公聴会では「ワクチンを支持する。私の子どもも全員接種を受けた」と表明。糖尿病や精神疾患、薬物乱用がまん延する米国の公衆衛生の現状改善を訴え、悪評の払拭を図った。
厚生省は1兆8千億ドル(約275兆円)規模の予算を抱える巨大官庁。傘下にはCDCのほか、世界最大規模の生命科学研究機関である国立衛生研究所(NIH)や医薬品規制機関の食品医薬品局(FDA)がある。
トランプ氏は就任後、世界保健機関(WHO)への米国の資金拠出が不当に多いとして脱退を表明。世界の感染症対策にも悪影響が及ぶことが懸念されている。