オーストリア、連立協議が決裂 「極右」自由党など、政治混迷
![12日、オーストリア・ウィーンで記者会見する自由党のキクル党首(AP=共同)](/sites/default/files/images/newspack/2025-02PN2025021301000289.-.-.CI0003.jpg)
【ウィーン共同】オーストリアで次期政権樹立に向けた連立協議が12日、決裂した。反移民で「極右」と称される自由党と中道右派、国民党が協議を続けてきたが、閣僚ポストなどを巡る対立が解消しなかった。昨年9月の総選挙以来、新政権が発足しない異例の事態が続くことになり、政治混迷が深まった。
首相の任命権があるファンデアベレン大統領は12日、数カ月以内の再選挙や専門家らによる暫定内閣の発足、別の政党間の連立協議などを選択肢として示し「最善の方法を探りたい」と述べた。
自由党は昨年の総選挙で第1党になった。第2党の国民党は自由党主導の政権発足阻止のため、他党と連立協議を進めたが、今年1月に不調に終わり、国民党党首を務めていたネハンマー首相は辞任。ファンデアベレン氏が自由党のキクル党首に組閣を要請していた。
今回の連立協議が合意すれば、自由党出身者を首相とする初めての「極右」政権が発足する見通しだったため、国内では抗議デモが起きていた。自由党は1956年に元ナチス党員らが結成した。