首相、年収の壁引き上げで消費増 「デフレ脱却着実」
石破茂首相は29日の参院代表質問で、所得税が発生する「年収103万円の壁」の123万円への引き上げに関し、個人消費の増大につながるとの認識を示した。国内経済について、物価と賃金がともに上がる好循環にあるとし「デフレ脱却への歩みは着実に進んでいる」と主張した。医療費の支払いを一定に抑える「高額療養費制度」の見直しに理解を求めた。
首相は、123万円への引き上げを明記した2025年度税制改正大綱を踏まえ、関連法案提出に向けた作業を進めていると説明。引き上げの政策効果に関し、働く人の賃金などの総額を示す雇用者報酬が1千億円程度増えるとし「25年度の個人消費が0・1ポイント程度押し上げられると見込んでいる」と答弁した。
国民民主党の川合孝典氏は、引き上げ幅が小さく手取りが増えないと批判し、178万円に引き上げるべきだとの考えを示した。
首相はデフレ脱却を巡り、日銀との間で見解の相違はないと強調した上で「デフレ脱却の判断は慎重、適切に行う」と語った。