旧安倍派の参考人出席を要請 来月10日、実現見通せず
衆院予算委員会は30日、自民党派閥裏金事件を巡り、旧安倍派会計責任者松本淳一郎氏の参考人招致を野党各党派の賛成多数で議決した。自民は反対、公明党は退席して採決に加わらなかった。安住淳衆院予算委員長(立憲民主党)は2月10日の予算委への出席を松本氏に要請したが、議決に強制力はない。松本氏は弁護士を通じて拒否する意向を示しており、実現は見通せない。
参考人招致の議決は全会一致が原則。衆院予算委での多数決による議決は1974年以来51年ぶりで、田中角栄政権下で第1次石油危機後の「狂乱物価」を巡り、商社社長らに対する招致を決めた時以来となった。
旧安倍派の政治資金パーティー券販売ノルマ超過分の還流を巡っては、安倍晋三元首相が2022年4月に還流中止を指示したものの、死去後の8月の幹部会合後に再開された。会合に出席した幹部4人は24年3月の政治倫理審査会で「結論は出なかった」と説明した。だが会合に同席した松本氏は同6月、自身の公判で「4人の協議で決まった」と証言し、食い違いが生じていた。