長野バス事故の生存者、記憶残す 40年前、川に転落し25人死亡
スキー実習に向かう日本福祉大(愛知県美浜町)の学生らを乗せたバスが長野市の犀川に転落し、25人が亡くなった1985年の事故から28日で40年。助かった香山久子さん(59)は、自責の念に苦しみながらも「事故の記憶を残していかないといけない」と、大学の学生や職員に語り伝えている。
バスは85年1月28日午前5時45分ごろ、国道19号を走行中、ガードレールを突き破って川に落ちた。
隣に座っていたゼミのクラスメートの中嶋道子さんが亡くなった。「席を代わろうね」と話していたが、香山さんが車酔いしやすかったため、結局代わらなかった。
香山さんは事故後、自身を責めるように。「窓側に座り続けていたから助かったのだと、心の重みになった」。
転機は七回忌。生存者と知った遺族会の会長から「毎年来てくれてありがとう」と声をかけられた。法要に集まった親たちが手を合わせて思い浮かべる子どもの姿は大学生のままなのに、自分は年齢を重ねていく。元気な自分を見せることが生き残った者としての責務と考えるようになった。