24年産コメ、過去最高値 大凶作「平成の米騒動」超え
農林水産省は17日、コメの出荷業者と卸売業者が売買する際の価格を示す「相対取引価格」を発表した。昨年12月までの2024年産米の全銘柄平均は玄米60キロ当たり2万3715円となり、比較できる1990年以降で過去最高値だった。これまで最高だった93年の大凶作「平成の米騒動」の2万3607円を超えた。
新米が出回った後も価格の高止まりが続いており、業者間取引の値上がりが今後、スーパーなどの店頭価格にも影響していく可能性がある。
全銘柄平均は対前年比で55%(8400円)上昇した。主要産地の銘柄で価格上昇が大きかった。資材や流通コストの上昇の価格転嫁が進んでいることや、昨夏の品薄などに伴う集荷競争が続いていることが要因とみられる。
24年産米は11月までの全銘柄の年平均でも価格が上昇傾向にあった。12月が単月で前年同月比60%(9275円)高の2万4665円となったことが、年平均をさらに押し上げた。12月単月では特に、秋田県産あきたこまちが2万6768円、新潟県産コシヒカリが2万4147円となり、全体を引っ張った。
相対取引価格の公表は06年産米から始まった。農水省による相対取引価格の公表以前は、全国米穀取引・価格形成センターの入札結果に基づく取引価格が指標だった。