女子医大建設費、安く済むと推薦 元理事長、当初から還流目的か
東京女子医大の新校舎建設を巡り、大学に不当な報酬を支払わせて損害を与えたとして背任容疑で逮捕された元理事長岩本絹子容疑者(78)が、「他の人に頼むより費用が安く済む」と大学側に説明し、不当な報酬を受け取ったとみられる男性1級建築士(68)とアドバイザー契約を結ぶよう推薦していたことが14日、捜査関係者への取材で分かった。
約1億1700万円に上る報酬の一部を当初から自身に還流させる目的で建築士と契約させた可能性があり、警視庁捜査2課が経緯を調べている。
捜査関係者などによると、岩本容疑者は2018年2月の理事会で、新校舎建設にあたり、建築士とアドバイザー契約を結ぶよう推薦。報酬は総工費の1%で、他の人に委託した場合は2%に上ると説明していた。
建築士は給与口座とは別に報酬用の専用口座を作成。報酬約1億1700万円から税金を差し引いた額のうち、3分の1ほどを受け取り、残りの約3700万円を岩本容疑者の側近の女性(52)を通じて還流させていた。側近には二重にした紙袋に現金を入れて手渡していた。