元行員、利用頻度把握し窃取か 金庫を選定
三菱UFJ銀行の東京都内の支店で貸金庫から顧客の金塊を盗んだとして窃盗容疑で逮捕された元行員今村由香理容疑者(46)が、客が貸金庫を利用する頻度を把握した上で、金品を盗む対象を選んでいたとみられることが15日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、利用者が近く来店しそうな金庫は避けるなどし、発覚を免れようとした可能性がある。盗む前に金庫内の写真を撮影し後で元の状態に戻せるようにしており、別の金庫の現金を移すこともあったとみられる。
三菱UFJ銀行によると、想定外の顧客が訪れた際に、貸金庫システムの電源を切って故障を装い利用できなくさせたことがあった。予備の鍵を悪用したとされ、鍵を保管していた封筒を開けた後、再度のり付けしていた。
警視庁捜査2課によると、4年半で60人以上が被害に遭い、総額は現金と金塊などを合わせて時価相当で17億円以上だったとみられる。FXで約10億円の損失を出しており、借金の返済目的だったとみて調べている。
逮捕容疑は2024年、練馬支店の貸金庫室で、利用者の金塊を盗んだ疑い。