所有美術品活用へ大阪府予算3倍 2億円作品の駐車場保管が発覚で
大阪府は所有する美術品の活用に向けて、2025年度当初予算案に前年度比約3倍となる事業費約1億5千万円を計上する方針を固めた。関係者が14日、明らかにした。評価額計2億円超の一部大型作品を地下駐車場に置いていた問題が発覚。専門家会議の議論を踏まえ、学芸員を配置して保管品の調査・研究を進めるとともに、展示機会の増加を図る。
府はバブル期に構想した現代美術館新設のため、関西ゆかりの作家らの作品を収集。7885点と規模は大型美術館並みで、構想が頓挫した後、数百点を貸し出し・展示する一方、府の施設に入りきらない大型の彫刻をはじめとする105点は咲洲庁舎の駐車場での保管を続けていた。誰でも出入り可能で保管環境も悪く、吉村洋文知事は23年に判明した際、不適切だったと認めた。
府は「作品は人の目に触れてこそ大きな価値が出る」(吉村氏)として、保全・活用策検討のため専門家会議を設置。昨年7月の提言には(1)学芸員の配置(2)安定した保管場所の確保(3)速やかな修復(4)展示機会確保の予算拡充―が盛り込まれた。