試験研究炉の予定地決定を延期　もんじゅ敷地内、活断層影響

　日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ（福井県敦賀市、廃炉作業中）の敷地内で計画されている試験研究炉の新設を巡り、文部科学省は２４日、年内としていた原子力規制委員会への設置許可申請時期の公表と建設予定地の決定を延期すると明らかにした。敷地内に活断層が通っている可能性を指摘され、機構が追加調査が必要と判断した。

　文科省の清浦隆大臣官房審議官が福井県庁で中村保博副知事と面談し、明らかにした。今後のスケジュールは「現段階で具体的に申し上げることは困難だ」と説明。中村副知事は「非常に残念。できる限り早く（建設予定地などを）提示してもらいたい」と要望した。

　政府は２０１６年にもんじゅ廃炉を決めた際、研究開発や人材育成の拠点として、敷地内に試験研究炉を新設するとした。機構は候補地３カ所で地盤調査を進め、建設予定地と規制委への申請時期を年内に示すとしていた。

　一方、国土地理院は１０月に全国の活断層を記載した地図を更新し、もんじゅ敷地内に位置が不明確な「推定活断層」が通っている可能性を指摘した。