中国、体制批判白紙運動から2年 深まる官民対立、残る不信
【上海共同】中国各地で厳しい新型コロナウイルス対策に白い紙を掲げて抗議する「白紙運動」が起きてから26日で2年。習近平指導部は言論統制や監視により体制批判の再燃を抑え込んでいる。ただコロナ禍で過剰な行動制限を強いられた人々の当局への不信感は根深い。政府と市民の対立の構図は、無差別殺傷事件の頻発という形でも表面化している。
「死をもって労働法を改善させる」。江蘇省宜興の専門学校で今月、8人が死亡する殺傷事件が発生。逮捕された男(21)のものとみられる文章が交流サイト(SNS)に出回った。実習先の工場で1日16時間働いても賃金が未払いだと不満を書き連ねていた。
この事件の3日後には湖南省常徳の小学校前で男が運転する車が小学生や保護者らをはねた。中国で最近、無差別に市民に危害を加える事件が後を絶たない。
当局は犯行の動機など詳細をほとんど明らかにしていない。長引く景気低迷や厳格な統制による閉塞感が漂っており、人権派弁護士の男性は「中国社会の分断がかつてないほど進んでいる」と指摘する。
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