産業別「特定最低賃金」を答申 過去最高の上げ幅 熊本地方最低賃金審議会
熊本地方最低賃金審議会は16日、製造業の一部業種を対象にした産業別の「特定最低賃金」を時給で前年比54~56円増額するよう、金成真一熊本労働局長に答申した。いずれの産業も過去最高の上げ幅で、12月15日に発効する見通し。
改定額は「自動車・自動車付属品製造業、船舶製造・修理業、舶用機関製造業」が54円増の1019円、「電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業」が56円増の996円。「百貨店、総合スーパー」は2年連続で改定を見送った。
特定最低賃金は、全ての労働者に適用される最低賃金とは別に、都道府県ごとに基幹産業を定めて時給額を決める。今月5日に前年比54円増額の952円に改定された熊本県最低賃金を参考に、専門部会が9月下旬~10月上旬に審議した。
増額について、自動車関連は価格転嫁の進展状況や景況感に一定の改善がみられることから、中小零細企業の経営状況にも配慮して決定。電気機械関連は、労働条件の向上や競争の観点から労使とも賃上げの方向で共通していたことを踏まえて決めた。
倉田賀世会長(熊本大教授)は、中小企業・小規模事業者が賃上げできる環境の整備が重要として、労働局に「助成金の円滑な活用ができるようお願いしたい」と要望した。異議申し立ては10月31日まで。(横川千夏)
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