「人材育成の拠点づくりが重要」 半導体分野の第一人者、熊本県立大・黒田理事長が講演 熊日プレジデント俱楽部交流会
熊本県内の113の企業・団体のトップでつくる「熊日プレジデント俱楽部」秋の交流会が8日、熊本市中央区のホテル日航熊本であり、半導体分野の第一人者として知られる熊本県立大の黒田忠広理事長(65)が講演。世界各国が半導体を安全保障上の戦略物資と位置付ける中、関連産業が集積する熊本での人材育成の拠点づくりが重要だと強調した。
黒田氏は、自動運転などに使う人工知能(AI)向け半導体の開発が進む現状を示し、「鉄や石油に代わり、今や半導体が国の安全保障に直結する存在になっている」と説明。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出や、次世代半導体の国産化を目指すラピダスを挙げ、「半導体を開発して市場に出すスピードが重要になっている」と強調した。
日本は半導体製造装置や半導体材料に強みを持つ。今後の産業振興に向けては「本質的に重要なのは人材の育成だ」と指摘。TSMC進出を受け、JR原水駅周辺に大学などの研究機関を誘致する菊陽町の区画整理事業への参画に意欲を示し、「若者や海外の優秀な人材が集まり、イノベーションを起こす知の世界拠点をつくりたい」と語った。
交流会には会員企業から約70人が参加した。(山本文子)
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