【独自】原水駅周辺を宅地化へ 菊陽町の区画整理の概要判明 TSMC進出に対応 大学キャンパス、研究機関を誘致
菊陽町がJR豊肥線の原水駅から2027年春開業予定の新駅までの約70ヘクタールで計画する土地区画整理事業の概要が26日、関係者への取材で判明した。台湾積体電路製造(TSMC)の進出による人口の増加に対応するため、新工場の最寄りの原水駅周辺を宅地化。両駅の中間地域に大学のサテライトキャンパスや企業の研究機関を誘致する。
菊陽町は約1・9キロ離れている原水駅と新駅を結ぶ線路の北側で区画整理。①「職住近接エリア」(原水駅周辺)②「にぎわいエリア」(町図書館そばにつくる新駅周辺)③「知の集積エリア」(両駅の中間)の三つに分けて整備する。
職住近接エリアには低層住宅や高層マンションを建設。セミコンテクノパークやTSMCの新工場がある工業団地の従業員の居住に充てる。
にぎわいエリアには高層ホテルや商業施設を立地する。隣接地では町総合体育館や24年度中に完成する予定のテニスコート、26年開業を目指すアーバンスポーツ施設、移設する町民グラウンドを集積。「総合運動公園化」を図る構えだ。
知の集積エリアには大学のサテライトキャンパスや企業の研究機関を誘致。企業の出張所、国内外の大学や専門学校が共同入居する施設(マルチテナント)の整備も念頭に置く。
居住者の通勤の利便性を向上させるため、70ヘクタールの区画内のほか、区画とセミコンテクノパーク、TSMC新工場が立地する工業団地の辺りを循環する新交通システムの導入を検討する。専用レーンを走るバス高速輸送システム(BRT)を選択肢とする考えだ。
農地も多く含まれている約70ヘクタールの区画は現在、開発が制限される「市街化調整区域」となっている。町は新たな〝まちづくり〟に向け、制限が緩和される「市街化区域」への編入を25年度中に、区画整理の事業認可を26年度中に実現させる方針。一帯の将来構想を民間事業者と具体化し、28年度中の造成着手を目指す。(草野太一)
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