不漁のアシアカエビ復活を 熊本・芦北町計石で稚エビ放流 県と3市町が初の試み 目印付け効果を調査
八代海特産のアシアカエビの不漁が続く中、芦北町や熊本県、水俣市、津奈木町でつくる水俣・芦北地域雇用創造協議会は9月19日、漁獲量増を目指し、芦北町の計石港周辺で初めて稚エビを放流した。放流の効果を調べるため、エビにはオレンジ色の目印を付けた。
エビの養殖を八代漁協に依頼し、芦北町漁協や同町が協力した。稚エビは放流後1週間程度は海中を浮遊し、魚に捕食される可能性が高い。このため、砂の中に潜れる大きさに成長するまで海中に設置した網の中で保護する方法を採った。
9月中旬、稚エビ約1万匹を縦5メートル、横10メートル、深さ1・5メートルの網に投入。1週間後の19日、網の一部を開け、海に放った。
2008年度に48トンだったアシアカエビの漁獲量は減少傾向が続き、熊本豪雨が発生した20年度は0・4トンまで激減。23年度は微増したが、1・3トンにとどまっている。
協議会は21、22年度に陸上養殖を試したが、水温管理の難しさなどで成果が得られなかったという。協議会は「専門機関の助言を受けながら新たな方法の成否を探り、不漁から打開する糸口をつかみたい」と期待している。
アシアカエビ漁のシーズンは11月から。周辺の漁協には、目印が付いたエビが捕れた場合、協議会に連絡するよう呼びかける。(伊藤恩希)
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