iPS肝臓で肝硬変改善 移植に代わる治療に期待
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)からつくった人工肝臓を、肝硬変のラットの肝臓表面に移植したところ症状が改善したとの研究成果を、東京大や横浜市立大のチームが24日付の米科学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン」に発表した。人工肝臓が持つ炎症を抑える作用が、改善につながっていた。
肝硬変は、肝臓移植以外に根本的な治療法がなく、移植に代わる治療法の開発が急務となっている。チームの田所友美・横浜市立大助教(臓器再生医学)は「これまでとは違う戦略の治療法を開発できるかもしれない」と話した。
チームは、薬物で人為的に肝硬変状態にしたラットの肝臓の表面に、ラットの胎児の肝臓を移植すると症状が改善することを発見。そこで人のiPS細胞から、胎児の肝臓を再現した人工臓器をつくる技術を確立し、肝硬変のラットに移植した。すると肝機能が回復し、生存率も高くなった。
iPS細胞などを培養してつくる人工臓器は「オルガノイド」と呼ばれ、研究や治療での利用が期待されている。
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
全国のニュース 「医療」記事一覧-
米国で鳥インフルエンザ初の死者 南部ルイジアナ州で、高齢の患者
共同通信 -
中国、呼吸器感染症が拡大 インドでも確認、ベトナムは注視
共同通信 -
付き添い入院、寝具費を補助 親負担軽減へ初の支援策
共同通信 -
酒に「がんのリスク」表示を 米国の医務総監が勧奨
共同通信 -
WHO、中国にデータ共有要請 コロナ起源巡り
共同通信 -
中国、コロナ初確認から5年 不満募る武漢、米中対立再燃も
共同通信 -
高齢化社会対応、日本は15位 1位スイス、国際チームが採点
共同通信 -
東海地方の50社が膵臓がん啓発 名古屋大発のバイオベンチャーと
共同通信 -
ALS治療薬トフェルセン承認 国内初の近視進行抑制薬も
共同通信 -
手洗い、マスク、換気が重要 年末年始の感染対策
共同通信