中国、コロナ初確認から5年 不満募る武漢、米中対立再燃も
中国湖北省武漢市で新型コロナウイルス感染症の発生が世界で初めて明るみに出てから12月末で5年。習近平指導部はロックダウンなど強硬措置の「成功」を主張する。だが「震源地」で危険と背中合わせの日々を過ごした市民らは、ポストコロナの経済低迷もあって不満を募らせている。ウイルスの起源を巡る米中対立が再燃する火種もくすぶる。
2019年12月30日、武漢市当局は「原因不明の肺炎患者」が次々に確認されたと医療機関に通知。31日には一般にも発表した。ただ当局が「人から人への感染」を認めたのは20年1月20日になってからだった。
情報隠蔽や初動の遅れが流行拡大を招いたと国際社会で批判が高まる中、習指導部は強硬措置を展開。1月23日に武漢市を封鎖し、全市民PCR検査やデジタル監視を駆使した厳格な「ゼロコロナ」政策を全国に拡大した。体制批判につながる言論統制も強化した。
習指導部はコロナとの戦いで「大勝利を収めた」とアピールする。だが葬儀業の男性は「死者が相次ぎ、対応できなかった」と振り返る。
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