中古家具をカンボジアに寄付 熊日広告社 家具メーカー・イトーキの事業に県内初参画
熊日広告社(熊本市中央区)は、社屋移転で不要となった机や椅子などの家具をカンボジアの公共施設に寄付する。オフィス家具メーカーのイトーキ(東京)などがSDGs(持続可能な開発目標)推進のため取り組む中古家具の寄付事業に、熊本県内で初めて参画した。
事業は、イトーキと物流大手傘下のNX商事(東京)が2021年に始めた。オフィスの移転や改装で不要となった家具の状態をイトーキが判定し、まだ使えるものをリスト化。寄付の相手国に必要な家具を選んでもらい、NX商事が輸送する。
熊日広告社は、新社屋の家具をイトーキが納品した縁で連携した。新社屋は社員の席を固定しないフリーアドレスを導入し、引き出しのある机や大型の棚が不要となったため、国内で売却できたものなどを除く70点の寄付を決めた。
23日、作業員が中央区南坪井町の旧社屋から家具を搬出して梱包[こんぽう]し、船用コンテナに積み込んだ。8月中旬ごろカンボジアに届き、政府機関などで使われる。輸送費は広告社が負担する。
カンボジアでは木製家具が主流で、高強度のスチール家具の需要が高いという。これまで全国18事業者の家具約3千点を送った。イトーキの中村哲史営業推進部長は「オフィス家具メーカーとして、つくる責任とともに使い切る責任もある。廃棄や売却に次ぐ第3の選択肢となる海外への寄付を拡大させたい」と話した。(田代智也)
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