県内賃上げ32年ぶり4%台 24年春闘、連合熊本の最終集計 「全国的な流れ、地場中小にも波及」
連合熊本が10日発表した2024年春闘の最終集計で、熊本県内の労働組合の賃上げ率は、定期昇給を含む平均で前年の3・80%から4・53%に伸び、1992年以来32年ぶりに4%台に達した。賃上げ額は前年を1925円上回る月額1万2501円となり、2年連続で1万円を超えた。
回答のあった86組合のうち、明確な賃上げ額が確認できる64組合の全てで、基本給を底上げするベースアップを獲得した。連合熊本は「全国的な賃上げの流れが、熊本の地場中小企業の交渉にも波及した」とみている。
規模別に見ると、組合員300人未満の中小61組合の賃上げ額は前年比3412円増の1万894円で、記録が残る14年以降では初めて1万円を超えた。賃上げ率は4・54%で、300人以上の大手25組合の4・53%を上回る伸びを示した。大手の賃上げ額は1311円増の1万3004円だった。
業種別では、製造業で1万4113円、商業流通で1万7365円の賃上げとなり、全体の水準を押し上げた。時間外労働の上限規制で人手不足に拍車がかかる「2024年問題」に直面する交通運輸は、約8割の組合が前年以上の賃上げを獲得した。
連合熊本は「全国的な賃上げの流れが波及し、休暇や福利厚生など労働条件面の改善も進んだ」と評価した。一方で、業績が好調でなくても人材確保のために賃金を上げる「防衛的賃上げ」の企業も多いとみて、「来年以降も賃上げの動きを継続できるかが課題だ」と説明した。(丸山伸太郎)
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