熊本市電、25年6月に値上げ方針 現在は180円…市議会特別委で「200円」の収支予測提示
熊本市交通局は25日、熊本市電の運賃を来年6月に現在の一律180円(大人)から値上げする方針を明らかにした。同日の市議会特別委員会で200円に移行した場合の収支予測を示した。不足する乗務員の確保や処遇改善、設備投資などに充て、経営基盤の安定化を図る。新しい運賃は市民アンケートや国との協議などを経て決める。
地域公共交通に関する特別委の初会合で、現行運賃と値上げした場合の25年度から30年間の収支予測の比較を示した。180円で据え置くと累積で2億7800万円の赤字が発生すると試算。200円の場合は値上げの影響から年間15万人程度の乗客が減ると見通したが、37億3200万円の累積黒字を確保できるとした。
市交通局によると、23年度の乗客数は(速報値)は1008万8千人と前年度比13・3%増だったが、新型コロナウイルス禍前の19年との比較では8・4%減となった。23年度の交通事業会計決算は、市一般会計から繰り入れる補助金1億7400万円を含めて、純利益1億1663万円を見込む。
市交通局は「安定的な事業継続のため、負担増にご理解いただきたい」とした。特別委では、クレジットカードによるタッチ決済の利用者に対し、1日の上限額を設けて割り引くといった利便性向上策も報告した。(九重陽平)
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