クレカ「タッチ決済」利用率1% 熊本市電、23年4月の本格導入から1年間で 廃止予定の全国交通系ICカードは50%
熊本市交通局は、熊本市電で2023年4月に本格導入したクレジットカードによるタッチ決済の利用率が、24年3月までの1年間で1・0%だったとする結果をまとめた。同様の決済手段は熊本県内の路線バス事業者5社が、全国交通系ICカード(全国IC)での決済を廃止した上で24年度中に導入する方針で、決済手段の変更に利用者の理解が得られ、周知が図れるかが課題となる。
「Suica(スイカ)」などの全国ICは50・5%、地域限定型の交通系ICカード「くまモンのICカード」(おでかけICカード含む)は12・6%だった。クレカ決済と同時期に導入したQRコードは1・6%だった。
県内のバス事業者5社は、全国ICを使った決済の機器更新に多額の費用がかかるとして年内にも廃止し、クレカのタッチ決済などに切り替える。市交通局の方針では、市電でも25年度中に全国ICは使えなくなる。
クレカのタッチ決済はインバウンド(訪日客)増加を背景に、福岡市地下鉄や西日本鉄道など県外の交通事業者でも導入が広がっている。熊本市交通局は「利用率が思うように伸びておらず、より使いやすい環境を整える必要がある。タッチ決済で運賃を割引するキャンペーンなどを展開し、普及を図りたい」としている。
市電のクレカ決済の利用率について、バス事業者5社でつくる共同経営推進室は「バスと市電では決済手段などが異なるため、コメントは難しい」と説明。新決済手段への切り替えに向けて「国や県、市の支援が決まり次第、できるだけ早く周知に努める」としている。(臼杵大介)
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