訓練で意識的に心拍数下げられる 東大チーム、脳内の仕組みを解明
一定の訓練によって意識的に自身の心拍数を下げられるようになる脳のメカニズムを、ラットを使った実験で解明したと、東京大のチームが21日付の米科学誌サイエンスに発表した。不安を抑える効果があるといい、精神疾患の治療法開発やアスリートのパフォーマンス向上などにつながると期待される。
心拍や血圧、体温などの生理活動は自律神経系の支配を強く受け、意思で制御することは通常不可能だとされる。一方、ヨガ熟練者やアスリートらが訓練を積み、心拍数を意識的に下げられる事例が知られていた。動物に習得させるのが難しく、脳内の仕組みは不明だった。
チームの吉本愛梨大学院生らはラットの脳に電極を設置。目標の心拍数に近づくとひげに触れたように感じる刺激を与えて知らせ、さらに目標まで下がると快楽を感じる刺激を与えた。この訓練を目標心拍数を徐々に下げながら繰り返した。
池谷裕二・東京大教授は「脳から心臓までトップダウンで命令が伝わるという意外な能力を科学的に実証できた。効果を最大化する方法を検証し健康増進に生かしたい」と話した。
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
全国のニュース 「医療」記事一覧-
iPSで「心臓周皮細胞」 新たな心不全治療の開発も
共同通信 -
「今の保険証残して」抗議 マイナ巡り医療関係者ら
共同通信 -
血液がん遺伝子検査が実用化 網羅的に解析、診断に有用
共同通信 -
介護費用、11兆5139億円に 高齢化で最多更新、23年度
共同通信 -
緊急避妊薬、試験販売284薬局 さらに増加見通し、処方箋なし
共同通信 -
無床診療所の使用、審議差し戻し 中絶薬、医会の慎重論で
共同通信 -
移植見送り調査結果公表 厚労省、有識者で対応検討
共同通信 -
アルツハイマー病、米の新薬承認 イーライリリーの「ドナネマブ」
共同通信 -
精神科の訪問看護、見直しへ 過剰請求受け、厚労省が実態調査
共同通信 -
23年の臓器移植見送り509人 医療機関態勢整わず、厚労省調査
共同通信