半導体を必修科目に 熊本県立大、熊本大と連携して講義を開設
さまざまな業種でデジタル化が急速に進む中、熊本県立大(熊本市東区)は本年度、総合管理学部1年の必修科目に半導体について学ぶ講義を開設した。半導体は関連産業のほか、自動車、行政、教育、農業、医療関係など多様な業種で活用されており、幅広い分野で活躍できる人材の育成を目指す。
熊本大と取り組む文部科学省の「地域活性化人材育成事業」の一環。同大との「連携開設科目」で、科目名は「情報イノベーション学Ⅱ(現代社会と半導体)」。同大の宇佐川毅副学長らが講師を務める。県立大によると、大学が連携して同じ内容の科目を開設するのは熊本県内で初めて。
6日に初回の講義があり、総合管理学部の1年生約300人が受講した。宇佐川副学長が、半導体は電気を通す性質の「導体」と絶縁体の中間の性質を持つことなど基礎的な事柄を説明。学生はスマートフォンや冷蔵庫、テレビなど身の回りにある製品に半導体が使われているかどうか話し合った。
女子学生(18)は「半導体は専門的な製品に使われているイメージだったけれど、普段使っている製品にも組み込まれていることを知り、身近に感じた。将来どの業種に就職しても必要な知識になると思うので、しっかり勉強したい」と話した。
8月まで計8回の講義を予定。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出に伴う県内の半導体産業の現状や、半導体の現代社会における位置付けなどを学ぶ。総合管理学部の宮園博光学部長は「半導体に関する知識は今後さまざまな職種で必要になる。次世代を担う人材の育成につなげたい」と意気込む。(後藤幸樹)
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