劇症型溶連菌、患者過去最多に 半年で977人、致死率3~7割
国立感染症研究所は11日、「溶血性レンサ球菌(溶連菌)」が原因で致死率が3~7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の今年の患者数が977人(速報値)となったと発表した。1999年の感染症法による届け出開始以降、過去最多だった昨年の941人を半年で上回った。専門家は感染の疑いがあれば早期に医療機関を受診するよう呼びかけている。
溶連菌は一般的に咽頭炎などを引き起こす細菌だが、まれに劇症化して手足の壊死や多臓器不全を伴うショック症状に至ることがあり、「人食いバクテリア」とも呼ばれる。症状が出てから急激に悪化するのが特徴。
病原性が強く感染が広がりやすいとされる「M1UK」株が増加傾向で、3月時点で関東地方で多く検出されている。感染研によると、2日までに977人が報告され、前年同時期の約2・8倍となった。都道府県別で多かったのは東京145人、愛知67人など。
東京女子医大の菊池賢教授によると、溶連菌は足の傷口から感染しやすい。「水虫や靴擦れなど、小さい傷を放置せずに治すことが重要」と指摘した。
RECOMMEND
あなたにおすすめNEWS LIST
全国のニュース 「医療」記事一覧-
コロナ定期接種が10月開始 高齢者ら対象、年度末まで
共同通信 -
受精卵の詳細観察に成功、秋田大 「不妊症の原因解明に役立つか」
共同通信 -
心の不調、若い世代7割「身近」 厚生労働白書案
共同通信 -
マイナ保険証利用、9・90% 前月比2・17ポイント増、6月
共同通信 -
マスク備蓄3億3千万枚、政府 感染症対応「ガイドライン」案
共同通信 -
診療報酬請求で違法な助言 訪問看護巡り福祉コンサル
共同通信 -
HPV救済接種、知って 7大学で周知キャンペーン
共同通信 -
移植合併症の原因菌特定 白血病など、治療薬に期待
共同通信 -
心臓手術用メス、急きょ販売終了 学会は代替機の開発要請
共同通信 -
AIで画像から肺機能推定 胸部エックス線、診断活用
共同通信