三菱電機、菊池市のパワー半導体新工場の稼働開始を前倒し 2025年11月へ
三菱電機は、菊池市泗水町で建設を進めているパワー半導体の新工場の稼働開始時期を、従来の2026年4月から、25年11月に前倒しする。市場の旺盛な需要に対応する狙い。5月29日にオンラインで開いた事業説明会で明らかにした。
新工場では、シリコンより消費電力が少ない炭化ケイ素(SiC)を使った8インチ(200ミリ)の製品を生産する。世界的に脱炭素の動きが加速しており、SiCパワー半導体は、電気自動車向けなどで市場拡大が見込まれている。
この日のオンライン説明会で、三菱電機の上席執行役員半導体・デバイス事業本部の竹見政義本部長は「車載や産業向けなどでSiCパワー半導体の引き合いが増えている。(既存製品より生産効率の良い)8インチ製品の生産で需要増に対応したい」と述べた。
三菱電機の半導体・デバイス事業の23年度売上高は2898億円で、このうちパワー半導体が2476億円を占める。同社は30年度に、パワー半導体事業でのSiCの売上比率を3割以上に拡大することを目指している。(山本文子)
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