考え事中の海馬、活発に活動 記憶障害の治療に期待

共同通信 2024年5月22日 19:34
 考え事と脳の活動の関係(イメージ)
 考え事と脳の活動の関係(イメージ)

 ぼんやりと考え事をしているときに、記憶や学習の機能を持つ脳の海馬と呼ばれる部分が活発に活動することが分かったと22日、大阪大などのチームが発表した。海馬の活動は記憶障害など多くの病気に関連していて、大阪大の岩田貴光さん(脳機能学)は「海馬の活動を変化させることができれば、病気の診断や治療への応用が期待できる」としている。

 チームは、てんかん治療のため、脳内の海馬に電極を付けている患者10人について、脳波を約10日間にわたって計測。脳波は睡眠時も含めて測り、起きている際には並行して「今考えていたことは、今行っていることに関連しているか」などの17項目のアンケートを1時間に1度実施した。

 その結果、患者が現在の行動と関係ないことを考えているときに、海馬で記憶の定着に関与する特徴的な脳波(SWR)が観測されることが分かった。

 認知症患者はSWRが減るなど、多くの精神神経疾患はSWRと関連があるとされている。SWRの制御が病気の診断や治療につながることが期待される。

 論文は英科学誌電子版に掲載された。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「医療」記事一覧