「みなし労働」再審理へ 最高裁、客観的裏付けを重視

共同通信 2024年4月16日 20:28
 最高裁判所
 最高裁判所

 労働時間算定が困難な場合に一定時間働いたとみなす「事業場外みなし労働時間制」の適用は不当だとして、外国人技能実習生の指導員だった女性(41)が元勤務先に残業代の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)は16日、適用を否定して女性の訴えを一部認めた二審福岡高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。

 高裁は、女性の業務日報を根拠に「労働時間を算定し難いとき」に該当しないと判断し、適用できないとしたが、今崎裁判長は日報などの記録に加え、内容に関する客観的な裏付けが重要だとして、日報のみを重視した二審判決は違法だと結論付けた。

 一、二審判決によると、女性はフィリピン出身で熊本市在住。日本国籍を取得し、2016~18年、監理団体に指導員として勤務。

 第3小法廷は、女性の業務は実習生の生活指導や急なトラブル時の通訳など多岐にわたり、自らスケジュールを管理して直行直帰するなど一定の裁量があったと指摘。女性が提出していた業務日報について、内容の正確性が客観的に担保されていたと評価できないとした。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「社会」記事一覧