昆虫の「墓場」が「揺り籠」に 受粉利用の植物に産卵し共生
![ナンゴクウラシマソウ=2020年3月、鹿児島県・屋久島(神戸大の末次健司教授提供)](/sites/default/files/images/newspack/2024-02PN2024022201001464.-.-.CI0003.jpg)
花粉の「運び役」である昆虫を内部に閉じ込め、一方的に受粉に利用して殺していると考えられていた植物が、実は一部の昆虫の産卵場所になっていたことが分かったと、神戸大の末次健司教授らのチームが22日までに発表した。「墓場」が「揺り籠」でもあったという隠れた共生関係が初めて明らかになった。
この植物は、受粉のためにキノコバエ類を犠牲にすることで知られる「テンナンショウ」の一種の「ナンゴクウラシマソウ」。
チームは21~23年、鹿児島県・屋久島で寄ってくる昆虫を観察。雌の株に最も多く閉じ込められていたのは「イシタニエナガキノコバエ」で、死骸の他に、卵が産み付けられているのを発見した。
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