熱帯性ナマコを国内初確認 沖縄・マングローブ林で

共同通信 2024年2月14日 06:00
 沖縄県石垣島のマングローブ林で発見されたナマコを手にする島根大の川井田俊助教=2023年12月、松江市
 沖縄県石垣島のマングローブ林で発見されたナマコを手にする島根大の川井田俊助教=2023年12月、松江市

 島根大や和歌山県立自然博物館などのチームは沖縄県石垣島の河口付近に生えるマングローブ林で、熱帯域原産のナマコを発見した。国内初確認という。「海の森林」とも呼ばれるマングローブ林には貝類や甲殻類が生息するが、ナマコの報告例はなく「マングローブ林が生物多様性の維持に貢献していると裏付ける重要な発見」としている。

 見つかったナマコはフィリピンやフィジーが原産地。体長17・6センチの成体で表面は黒く、黄色いいぼ状の足が無数にある。石垣島は亜熱帯域に属し、従来の分布北限より約700キロも北だった。黒潮に乗っての北上や、温暖化による海面水温上昇が影響した可能性が考えられるという。

 島根大の川井田俊助教(海洋生態学)らは2022年6月、カニ類の採集目的でマングローブ林を調査。根と根の隙間に挟まっているナマコ1匹を見つけた。

 日本近海には約200種類のナマコが生息するが、岩場や砂の中で活動していることが多い。川井田助教は、ナマコを見分ける上で重要な体内の小さな組織を精査するなどし、種類を明らかにした。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「科学・環境」記事一覧