南極西側、氷融解止まらず 英研究所、海面上昇警告
【ワシントン共同】南極大陸の西側を覆う「西南極氷床」は、温室効果ガスの排出削減を強力に進めたとしても21世紀中は融解が止まらないとの予測を、英南極研究所のチームが23日、英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに発表した。全て解けると海面が5・3メートル上昇するほどの氷を蓄えており、チームは「現状維持はできなそうだ。海面上昇が22世紀以降も続いて数メートルに及ぶ事態に備えるべきだ」と訴えた。
氷床のうち、海にせり出して浮かぶ部分は棚氷と呼ばれる。棚氷は下部が接している海水の温度が上がると融解が進み、さらに陸側の氷が海にずり落ちて深刻な海面上昇につながる恐れがある。
今回の予測では、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に従って産業革命前からの気温上昇を1・5度や2度に抑える場合のほか、排出削減が進まず2度を超える場合、4度上昇する場合という四つのシナリオを設定。それぞれで21世紀末までに棚氷の下部が接する深さ200~700メートルの水温変化や、氷が失われる量を予測した。
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