特異な才能持つ子…「ギフテッド」の支援進む 発達障害の傾向 適切な指導の在り方模索【いま、学校は】
特異な才能を持つ子ども「ギフテッド」。贈り物を意味する「ギフト」が語源で、天から与えられた資質を意味する。一方で強いこだわりがあったり、集団行動が苦手だったりするなど、発達障害の傾向があることが少なくなく、不登校になるケースも。適切な教育環境を整備するため、国や一部の学校では支援策の検討を進めている。
熊本市内に住む小学5年の男児は休日、「スター・ウォーズ」「ミッション・インポッシブル」などの映画をひたすら鑑賞する。ほとんどが大人向けだが、見始めたのは2年ほど前から。作品の粗筋だけでなく細部のシーンまで記憶。見終わった後は、父親と物語の伏線などについて語り合うことが何よりの楽しみだ。
男児は1年生のころ、学校に通う度に吐き気に襲われていた。黒板の内容を正確に書き写すことや、いすにずっと座っていることが苦手。書写の宿題では、先生の添削を気にして、1ページ書き終えるのに2、3時間かかることも珍しくなかった。
心配した母親(49)が、スクールカウンセラーに相談。知能検査を受けたところ、言語理解の知能指数(IQ)が130ほどあり、そこで母親はギフテッドという言葉を初めて知った。「息子が一体何に困っているのか分からず、私自身も疲弊していた。学校に『うちの子は他の子に合わせないでほしい』とはっきり言えたら良かったのかもしれない」と振り返る。2年時から熊本市内のフリースクールに通い始め、体調を崩すこともなくなった。
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