「客足戻らん」店主ため息 熊本県の営業時短緩和、初の週末 コロナ沈静化祈るのみ

熊本日日新聞 | 2021年02月13日 10:29

営業時間短縮要請の対象から外れても「客足は戻らない」と話す「食彩よしなが」の横谷義永さん=12日、人吉市
午後7時ごろの下通アーケード。人出は増えつつあるものの、飲食店の客足は遠のいたままという=12日、熊本市中央区

 新型コロナウイルス対策として熊本県が飲食店に要請した営業時間の短縮が緩和されてから初の週末を迎えた12日、熊本市などの人出は徐々に増えだしたものの、飲食店の客足の回復は鈍く、店主からはため息が漏れた。

 県は、今月7日までとしていた独自の緊急事態宣言を21日まで延長。時短要請は午後8時から午後10時までにして熊本市中心部の酒類提供店だけで継続し、その他の地域は解除した。

 昨年7月の豪雨で被災後、営業再開する店が少しずつ増えてきた人吉市。3メートル以上浸水した同市紺屋町の小料理店「食彩よしなが」は昨年12月に再開したが、店主の横谷義永さん(63)は「コロナが影響して団体客が来なくなった」と嘆く。客は1日4~5人程度。「時短要請の前から客は少ないまま。対象から外れても生活が苦しいのは変わらない」とうつむいた。

 熊本市のベッドタウン、合志市も厳しさは変わらない。12日、幾久富の居酒屋「新慈[しんじ]」は午後5時に開店したが、予約はゼロ。客数は1月18日からの時短要請前に近づきつつあるものの、店主の新本[しんもと]敏彦さん(62)は「期待はしていない。諦めの方が強い」と肩を落とす。時短中は店を開けることで赤字が増えた。「頑張って」という常連客の励ましを支えに、歯を食いしばっているという。

 12日午後6時すぎの熊本市中心部。閑散としていたアーケード街にはスーツ姿のサラリーマンや若者が行き交い、1週間前よりも人出は増えていた。

 ソフトバンク子会社の「Agoop(アグープ)」がスマートフォンの位置情報から分析した結果、午後8時台の熊本市中心部の滞在人口は、8~11日の4日間平均で2万7196人。時短要請が緩和される前の今月1~4日の平均(1万9404人)に比べ約1・4倍に増えた。それでも昨年2月初旬の月~木曜の4日間平均(4万7705人)に比べると、6割程度だ。

 時短要請の解除が見通せない中、熊本市中央区新市街の居酒屋「酒湊[さかそう]」は売り上げが見込めないため閉めていた店を8日に再開した。しかし、12日の予約はわずか2組。広報担当の錦戸麻鈴さん(23)は「緊急事態宣言中、お客さんに来てほしいとは言いづらい」と話し、コロナの沈静化を祈った。(小山智史、木村恭士、太路秀紀、堀江利雅)

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