「終わり見えない」繁華街に嘆き 熊本県、緊急事態宣言を延長

熊本日日新聞 | 2021年02月06日 08:50

コロナ禍に伴う飲食店の事業縮小の影響で、出荷作業ができずに山積みになっているおしぼり用の布=5日、熊本市東区

 熊本県は5日、独自の新型コロナウイルス緊急事態宣言を21日まで延長することを決めた。引き続き酒類提供店が営業時間短縮要請の対象となった熊本市中心部の繁華街に依存する事業者からは「苦しみの終わりが見えない」などと悲痛な声が上がった。

 「これ以上、時短や休業を続けると社員のモチベーションが持たない」。一帯で居酒屋などを展開するジョー・スマイル(熊本市)の前川浩幸社長(60)は語気を強めた。

 「4万円の協力金では家賃など賄い切れない」といった憤りもあり、延長期間中の対応について決めかねているという。

 緊急事態宣言に伴う営業時間の短縮要請を受けて、飲食店が多く立地する市中心部の夜の人出は激減した。

 通信大手ソフトバンクの子会社「Agoop(アグープ)」がスマートフォンの位置情報を基にした推計によると、1月18日~2月4日の午後10時時点の人出は平均約1万5600人。県が時短要請を始めた前日の昨年12月29日より53%減った。

 飲食店以外にもあおりを受けている業界は多く、運転代行業者はその一つ。コロナ禍前は約130事業者が熊本市内で営業していたが、廃業などで現在は30社程度に減っているという。

 「営業を続けている事業者は毎日、赤字を垂れ流している。この状況がいつまで続くのか。終わりが見えない」と県運転代行事業者協会の村井博敏理事長(60)は嘆く。

 おしぼり業者も受注量が大きく減っており、熊本カネヨシ(熊本市)の松山淳社長(52)は「飲食店に客が来ないと、うちの仕事は増えない」。

 同社は飲食店を中心に布おしぼりをリースで提供しているが、出荷本数はコロナ禍前の2割にとどまり、工場には殺菌消毒や袋詰めといった作業を待つ布がコンテナに山積みされている。

 ただ緊急事態宣言の延長措置の一方で、営業自粛を要請する時間帯が午後8時までから同10時までに変更されたことから、「営業を再開する取引先が出てくるのではないか」と松山社長。かすかな期待感を漂わせていた。(福山聡一郎、中原功一朗、丸山伸太郎、田上一平)

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