「支援拡大を」飲食店時短で関連業者ら 新型コロナ、熊本県の独自宣言 

熊本日日新聞 | 01月21日 11:30

飲食店への時短営業要請を受け、閉店時間の前倒しに踏み切った生花店=19日、熊本市中央区
閑散とした通りで客待ちをする運転代行車両。コロナ禍に伴う県独自の緊急事態宣言の影響で利用客が減っている=19日、熊本市中央区

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う熊本県独自の緊急事態宣言は、時短営業を求められた飲食店だけでなく、その取引業者や関連業界にも波紋を広げている。経営に打撃となっても飲食店のような協力金の制度がなく、「われわれの苦境にも目を向けて」と支援の拡大を訴えている。

 「運転代行業界は存続の危機。40年やっているが、これほど厳しいのは初めてだ」。県運転代行事業者協会の村井博敏理事長(60)が窮状を訴える。時短要請初日の18日、村井理事長が営むポニー運転代行(熊本市)の利用はわずか2件と、平年の100分の1以下に激減。売り上げは約6千円にとどまった。

 緊急事態宣言では時短に協力した飲食店に1日当たり4万円の協力金が出るが、運転代行業など飲食店と関わりが深い業種には出ない。既に年末年始の書き入れ時から利用が少なく「春まで現状のままなら大量廃業もあり得る」と悲痛な声も。協会は蒲島郁夫知事と大西一史熊本市長に支援策を求める嘆願書の署名集めを始めた。

 接待を伴う飲食店を相手とする業界にも影響が及ぶ。熊本市の繁華街にある美容室「エアー」は、飲食店の女性従業員のへアセットが売り上げの大半を占める。例年だと1日の客数は30~40人だが、19日は10人に満たなかった。

 生花店「ノエル」の駕町店は、女性従業員に花を贈る男性客らを相手に週末は午前0時まで営業していたが、宣言翌日の15日から閉店時間を午後8時に前倒しした。休業中の銀座通店は異動・卒業シーズンを前に再開する予定だったが、中西卓代表(50)は「いつ再開できるかめどが立たなくなった」と肩を落とす。

 飲食店に食材や酒類を供給する業者も苦境が続く。養殖のブリやタイを東京などに出荷する養殖漁業の深川水産(天草市)によると、外食需要の減少でタイは平年の半値に下落。深川英穂社長(63)は「魚は日々成長するので、安くても出荷を止められない」と、新たな販路を探す日々が続く。

 業務用酒類販売の県内大手、寺本酒販(熊本市)は18日の売り上げが前年比で9割減少した。一方、昨年12月から飲食店などの室内を消毒する新サービスを始め、1日に10件近い依頼を受ける。寺本光明社長(57)は「経営を多角化して何としても雇用を守る」と強調する。

 政府は緊急事態宣言の発令地域を対象に、飲食店の取引先などへの一時金支給を検討中。これに対し、熊本など独自に時短要請を出した13道県も、支援の対象に加えるよう要望している。(福山聡一郎、中原功一朗、東有咲、丸山伸太郎)

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