
熊本県の蒲島郁夫知事は20日の定例会見で、県内の新型コロナウイルス感染者の急増による医療機関の負担を軽減するため、軽症や無症状の人を受け入れる3棟目の宿泊療養施設を22日に開設すると発表した。受け入れ可能数は90室増えて計230室となる。
蒲島知事は「熊本市では病床使用率が90%に達しており、医療体制が逼迫[ひっぱく]している。新規感染の抑制と医療体制の確保が最優先課題だ」と述べた。
感染拡大を防ぐ対策として県は昨年末、熊本市中心部で酒類を提供する飲食店に午後10時までの営業時間短縮を要請。今月18日からは県内全域の全飲食店に対象を拡大し、営業終了も午後8時に前倒ししている。
蒲島知事は「熊本市内の感染者数は減少傾向にあり、市外でも効果が出てくるのではないか」と強調。社会経済維持とのバランスについては「今はブレーキを踏む時期だ」とした。
政府が取り組む新型コロナ特別措置法改正で時短命令を拒否した事業者に過料を科す案には「私権の制限がなるべく強くならないよう、慎重に検討してほしい」との見解を示した。(野方信助)