えっ、硬貨預け入れに手数料!? 「1円玉500枚超が残り60円に」

熊本日日新聞 | 12月18日 11:00

大量の硬貨と貯金箱

 「1円玉を500枚と少しためたので銀行に預けようとしたら、手数料が440円もかかると言われた。60円ぐらいしか残らない。手数料がかかるなんて知らなかった」。熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に、こんな体験談が寄せられた。各金融機関で大量の硬貨預け入れの手数料が相次ぎ導入されている。事情を探った。

 大量の硬貨の預入手数料は2018年1月に広島銀行、19年7月にりそな銀行、同12月に三井住友銀行、20年4月に三菱UFJ銀行やみずほ銀行と、メガバンクや地方銀行で新設された。

 熊本県内でもふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の熊本銀行が「硬貨整理手数料」の名前で今年2月5日から導入。肥後銀行も来年2月の導入を予定している。

 手数料は金融機関ごとに異なるが、FFGの場合、500枚までは無料。501枚から1000枚まで330円。1001枚から2000枚までは660円で、以降1000枚の幅で330円ずつ増える。1円玉でも500円玉でも同じだ。

 FFG経営企画部広報グループは「数える、保管する、持ち運ぶなどの手間に掛かる手数料」と説明。4月1日に「大量硬貨取扱手数料」を導入した三菱UFJ銀行広報部も「硬貨の取り扱いは相当なコストがかかり、サービスの品質を維持するため」とする。

 一方、ゆうちょ銀行広報部は「同様の手数料を導入する予定はない」。熊本信用金庫も手数料は取っておらず、金融機関によって対応が異なる。

 「大量硬貨の持ち込みは、うんざりというのが本音」と言うのは、銀行窓口の勤務経験のある40代女性(熊本市)だ。持ち込まれた硬貨にはクリップやゲームのコイン、他国の硬貨などの異物が交じっていることが多く、機械が故障する原因となるという。「復旧には何人も必要だし、数え直しで1時間近く来店客を待たせることになり、行員の負担が大きい」と明かす。

 手数料の導入について、熊本学園大経済学部の吉田洋一准教授(金融論)は「諸外国ではもともと、両替などの業務に料金がかかるのは当然という意識がある。日本では、銀行のサービスという認識があるが、両替や大量の硬貨預け入れの手数料導入は自然の流れ」と肯定的だ。

 バブル崩壊や金融制度改革で、金融機関のコスト意識が強まり、「仕事の対価」としての手数料を取る流れが生まれたという。

 ただ大量硬貨の持ち込みに手数料がかかることを知らないと、貯金箱を持って張り切って銀行に行った子どもが、しょんぼりして帰ってくることにもなりかねない。

 持ち込む前に手数料を確認するか、「頑張ってためたね」と、家庭で紙幣に替えてあげるなどの対応が必要かもしれない。また、災害義援金などの場合は手数料がかからないケースもある。(東寛明)

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