熊本市本庁舎建て替えに賛否 市議会各会派、異なるスタンス

熊本日日新聞 | 2021年03月05日 14:00

「耐震不足」が指摘されている熊本市役所本庁舎。新型コロナウイルスの影響で今後の整備のあり方に関する議論は止まったままだ=同市

 熊本市役所本庁舎の建て替え問題が、新たな局面を迎えている。大西一史市長は2月、「ゼロベースで議論を進める」と述べ、専門家による有識者会議を設けて、建て替えの是非を含め議論してもらう意向を示した。4日の市議会代表質問で、4会派のうち3会派がこの発言を取り上げ、それぞれ慎重、賛成の立場から市長の真意をただした。

 本庁舎は、市の2017年度調査で耐震不足が判明。昨年の基礎杭や地下連続壁の調査でも耐震不足が指摘された。ただ、議会や専門家の中には調査結果を疑問視する声もあり、特別委員会での議論も平行線をたどった。昨年5月、大西市長は新型コロナウイルス対応に専念するとして議会側に「議論の中断」を申し入れた。

 建て替え問題に「慎重姿勢」の最大会派、熊本自民(15人)。登壇した藤山英美氏は「コロナの収束が見通せない中、なぜ議論を再開するのか。なぜ有識者会議なのか」と疑問を呈し、「庁舎問題には2年の調査と約1億円の予算が投じられたが、いまだに多くの市民が納得していない」と指摘した。

 一方、第2会派の自民(12人)の坂田誠二氏は「建て替えが有利だと考えている。有識者会議で論点が整理されることを期待する」と市の姿勢に理解を示した。市民連合(8人)の福永洋一氏も、現庁舎は築40年で水害リスクにもぜい弱などとして「建て替えの是非を含めたゼロベースの議論ではなく、建て替えに向けた計画を立案するべきだ」と主張した。

 各会派の異なるスタンスでの質問や意見に、大西一史市長は「議会や市民に理解を深めてもらうには有識者会議で防災をはじめ、財政やまちづくりなど多角的な観点からの検討が必要」と説明。「これまでの調査や議論を示した上で、予断を持たずに審議してもらいたい」と繰り返した。

 18年6月に市が耐震不足の調査結果を公表して2年9カ月。新型コロナの影響で財政状況も含め、問題の先行きの不透明感が増す中、「市民が納得できる」着地点を見いだせるのか-。有識者会議の議論の行方に注目が集まる。(久保田尚之)

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