梅雨期まで治水優先 熊本豪雨の復旧・復興プランで熊本県が工程表 

熊本日日新聞 | 2021年03月03日 07:30

 熊本県は2日、昨年7月の豪雨で被災した県南地域の復旧・復興プランに盛り込んだ重点10項目の工程表を公表した。今年の梅雨期までに優先して取り組む治水対策のほか、蒲島郁夫知事の4期目の任期を踏まえ2023年度末までの「到達目標」を列挙。同年度末で、仮設暮らしなどを強いられている被災者の住まい再建・確保にめどをつける方針だ。

 工程表は、治水対策3項目、住まい再建やまちづくり2項目、産業再生2項目、交通インフラ整備2項目、観光復活1項目。

 球磨川などの緊急治水対策は、出水の危険性が高まる今年の梅雨期までに前倒しで実施。流域で要望が多い河道掘削や堤防整備、堆積土砂の撤去を急ぐ。避難情報を得る戸別受信機の設置やハザードマップ更新、時系列の防災行動「マイ・タイムライン」普及などソフト対策も強化し、「逃げ遅れゼロ」を目指す。

 水田に雨水をためて洪水被害を軽減する「田んぼダム」は、人吉市やあさぎり町など8カ所のモデル地区を皮切りに、21年度末で270ヘクタール、23年度末で540ヘクタールを確保する。

 住まい再建では、高齢者世帯の利用を想定した住宅ローンへの利子助成を推進。被災家屋の公費解体や災害廃棄物の処理は21年12月に完了する。災害公営住宅の入居は23年度末までに始める。

 産業関連では商店街の事業再開、農林水産基盤の復旧を23年度末までに実現させる。

 観光関連では、23年度末を目標に宿泊者数を被災前以上の水準とする。球泉洞や球磨川下り、ラフティングの再開は今年夏が目標。青井阿蘇神社など被災文化財は23年度末までに90%復旧させる。

 交通インフラは道路の復旧工事や仮橋の設置などで回復。ただ国道219号やJR肥薩線、くま川鉄道の復旧は「国やJR九州などが対応を協議中」として、具体的なスケジュールを示さなかった。

 工程表の対象地域は球磨川流域12市町村と津奈木町。蒲島知事は「流域住民の声を反映させた10項目は、復興を成し遂げる県の決意の表れ。私の任期中に実現する覚悟を示した」と話した。(潮崎知博)

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