熊本「激安」商店、賞味期限や季節外れなど巧みに仕入れ スーパーでは値引きクーポンの利用が大幅増 【みんなの生活防衛策】
熊本日日新聞 | 2022年12月4日 11:35

「お客さんのために」と値上げを踏みとどまり、独自の戦略で〝激安〟商品を提供する商店や、スーパーも奮闘している。売る側の戦略を知って上手に買い物に生かすことも、生活防衛につながりそうだ。
熊本市西区松尾に6年前にオープンした「田中八[たなかはち]商店」は、激安食料品店と看板に掲げる。
「毎週土曜の卵1パック10個入り98円、もやし1袋10円(いずれも税別)の限定販売は、赤字だけど続けたい。恒例だからね」と田中寿人[ひさと]社長(43)が店内を見渡す。一般的なコンビニとさほど変わらない広さの売り場で「豊富な商品ラインアップなんてそもそも無理」と話す。扱う乳製品は1社に限定し、調味料のサイズも一つしかない。こだわりは安さだ。
秘密は流通過程にある。田中八商店は、問屋に値引きを頼み込むことはあまりしない。代わりに、問屋が抱えた在庫を積極的に引き受けている。
スーパーなどから返品された商品を、仮に問屋がメーカーに戻そうにも、以前に増して輸送費がかかる。賞味期限が迫った商品を管理するにも、いずれ処分費用がかかるリスクがある。そうした商品を受け入れているのだ。
「賞味期限が迫っています」と店頭に掲げた菓子類なども、期限まではまだ1カ月ほどある。本来なら夏に並ぶそうめんや、数カ月前に流通していたカップ麺の期間限定商品が、どんどん買い物客のかごに収まっていく。
地元の人脈を生かして河内産のミカンなどは安く仕入れる。店の周りではタマネギ栽培が盛んで、買い物客から「うちのタマネギを買わないか」と打診されれば、条件次第で店先に並べる。柔軟な商品調達も価格を下げる秘訣[ひけつ]だ。
田中社長は「店にも商品の得意不得意がある。安さを求めるのであれば、いろんなお店を使い分けるのも手」とアドバイスする。

一方、県内に24店舗を構える「ゆめマート熊本」(熊本市)では、アプリ会員登録者向けの電子クーポンの利用が、これまでにない伸び率を記録しているという。食料品を中心に数十円の値引きが適用され、同時に30枚まで使用可能だ。9~11月に利用されたクーポンは、6~8月よりも3割以上増加したという。
集客にも効果を上げているといい、営業推進課の加藤博晃[ひろあき]課長(49)は「相次ぐ値上げを背景に、少しでも安く買い物を済ませたいというニーズがより高まった時期にも当てはまる。うまく応えられているのではないか」と手応えを口にした。(立石真一)
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