坪井川に泡…原因は? 汚水処理時の多糖類を除去できず 熊本市「自宅の油を流すの控えて」

熊本日日新聞 | 2022年11月1日 07:56

熊本城周辺を流れる坪井川。川面に泡が浮く日も多い=熊本市中央区

 「坪井川はいつも濁っているし、泡が浮いてる日も多い。せっかく熊本城と相まった風情ある景観なのに残念」といった声が、60代男性=熊本市中央区=から「SNSこちら編集局」(S編)に寄せられた。かつて加藤清正が水路として使った坪井川だが、確かにきれいなイメージを持つ人は少ないのではないか。原因を調べた。

 県環境保全課によると、2020年度、水質汚濁の代表的指標であるBOD(生物化学的酸素要求量)を県内の河川47水域で調べた結果、年間平均値が最も高かったのは坪井川中流の上代橋(西区)で4・2。基準値(5・0)内に収まってはいるものの、やはり高い。ただ、市水保全課によると坪井川水域の水質は徐々に改善している。11年度と比べると、同水域の7地点では最大3・3ポイント改善し、悪化している地点はない。

 熊本市には台所や風呂場、トイレからの排水と雨水を1本の管で流す合流式下水道が、市の下水道整備面積で5%ほどあり、これが河川汚濁の要因の一つになっていた。合流式の問題点は、一定以上の雨で雨水と混ざった汚水が未処理のまま河川に放流されることだ。

 市は09~13年度にかけて、地下に雨水を一時的にためる貯留管(100~500トン)を25カ所に設置。大雨時の放流回数を半減させた。他にもごみなどの固形物が川に流れ出ないようにする「吐き口」を40カ所で改良。大雨時に水をためる調整池も中部浄化センター(西区)に1万立方メートル、東部浄化センター(東区)に5500立方メートルそれぞれ建設した。市水再生課は「大雨時も汚水が川に流れにくくなり、確実に水質は上がっている」と自負する。

 数値的には徐々に改善しているが、依然として川面に泡が目立つ日も少なくない。その要因の一つが熊本北部浄化センター(北区)から坪井川に流れる処理水だ。北区と合志市、菊陽町に住む約20万7千人分の生活排水を受け入れ、1日約6万9千立方メートルを放流している。

 県下水環境課によると泡の原因は、処理の過程で微生物が汚れを分解する際に現れる多糖類。川に流す際のBODは3~4で水質は問題ないが、川中の石や段差などでかき混ぜられると泡が出る。多糖類の除去はできないという。

 同センター周辺は人口増加エリアのため、今後も処理水は増える見通し。同課は「センターの負荷を減らし、水質を保つためにも、自宅で油をそのまま流すのは控えてほしい」と呼びかけている。(樋口琢郎)

ランキング

イベント情報