干潟の乗り物「テーラー」知ってる? 記者が体験乗車、開放感抜群 荒尾市

熊本日日新聞 | 2022年6月23日 07:03

テーラーに乗って干潟を目指す参加者=荒尾市

 荒尾市の荒尾干潟が、国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に登録されて7月で10年。荒尾干潟保全・賢明利活用協議会が魅力を発信しようと運営している「テーラー乗車」を記者が体験し、広大な風景や生物観察を楽しんだ。

 「テーラー」は農作業で使う荷台付きの耕運機。荒尾干潟では古くから漁業者がノリ養殖やアサリ漁などで運搬用に使っており、観光利用は2019年から。記者は12日の体験会に参加し、荒尾干潟水鳥・湿地センターでエイやクラゲなどの危険な生物についてスタッフの説明を受け、6人乗りのテーラーで出発した。

 「ゴトゴト」。砂利を固く敷き詰めた海床路をゆられながら進み、数百メートルの沖合へ向かった。車上から小魚やカニが素早く動く様子が見える。目的地に到着すると約30分間の自由時間だ。360度遮るものがない開放感抜群の空間に降り立つと、穏やかな潮風が顔に当たる。この日はかすんでいたが、雲仙が間近に見える時もあるという。

石の下から見つかった大型のイシガニ=荒尾市

 案内役を務める協議会の松浦弘さん(62)=和水町=がカニを捕まえ、「甲羅が横長で、ハサミが赤いのがオサガニ、白いのがヤマトオサガニ。同じ干潟でも砂地と泥底ですみ分けています」と解説。スタッフが石の下から殻幅約10センチのイシガニの大物を発見すると、鋭いハサミで威嚇する様子を参加者が興味深く見入っていた。

 前後に歩けるマメコブシガニ、正式な名称が決まっていないイソテッポウエビの仲間、郷土料理にも使われるイソギンチャクなどが次々に見つかり、協議会メンバーが解説を加えた。

 貝殻を集めていた緑ケ丘小3年の迫田健大君は2回目の参加で、「種名まで教えてもらえるのが魅力。また来たい」とにっこり。記者自身も、周囲に人工物のない独特の空間が心地よく、日常のわずらわしさをしばし忘れて過ごすことができた。

 今後の運行は6~9月に計10日。それぞれ1日3回。1回当たりの定員は12人(先着順)。荒尾干潟水鳥・湿地センターで予約を受け付けている。大人500円、小中学生300円、未就学児は無料。長靴が必要。同センター☎0968(57)7444。(大倉尚隆)

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