電柱から突然出火、100戸停電 火元はカササギの巣…撤去は熊本だけで年間5000件

熊本日日新聞 | 2022年6月1日 18:52

女性が撮影した、電柱の上で燃えるカササギの巣=4月14日、山鹿市鹿本町(本人提供)

 電柱の上から炎が上がる写真が「SNSこちら編集局」(S編)に寄せられた。場所は熊本県山鹿市鹿本町。消防車が出動する騒ぎとなり、この出火が原因で周辺約100戸が停電した。撮影した同町の農業女性(46)の目撃情報によると、原因はカラス科の鳥カササギ(カチガラス)の巣だ。

 撮影は4月14日午前6時半ごろ。出火直後、カササギは「何だか困惑した様子」で近くの電柱に飛んできていたという。女性は最近も周辺でカササギを見かけることがあるという。

 3~6月はカササギやカラスの繁殖期だ。九州電力送配電熊本支社(熊本市)によると、一部県境を除く熊本県内には約47万本の電柱があり、2021年度は約4千本で鳥の巣を確認した。ほとんどがカササギとカラスで、同じ電柱に何度も巣を作ることから撤去は年間延べ5千件に上る。

 巣に使われた金属製のハンガーなどが漏電を引き起こすケースもある。鳥の巣が原因の停電は21年度に熊本支社管内で9件あり、九州全体では60件。3~6月に目立つという。漏電から火が出ることもごくまれにあり、同支社は「電柱に鳥の巣を見つけたら事業所へ連絡を」と呼び掛ける。

 ただ、全ての巣がすぐに撤去になるとは限らない。作業員が現場を確認し、金属を取り除いて対処するケースもあるという。「途中で撤去すれば、またすぐに巣作りを始めてしまうことがある」のが理由だ。こうして年に数百件は、ひな鳥の巣立ちを待って撤去されるという。(立石真一)

昨年6月、熊本市北区の八景水谷公園で撮影されたカササギ(熊本市・田原和英さん提供)

 ■カササギとは  

 サギではなくカラス科で、カチガラスとも呼ばれる。佐賀平野に多く生息し、カチカチという鳴き声と、腹や翼の端が白いのが特徴。一般的な黒いカラスと比べると一回り小さい。熊本県内では海沿いや平野を中心に生息域が広がり、局地的に繁殖している。日本野鳥の会熊本県支部によると、佐賀県でも7~8割が電柱に営巣しているが理由は不明という。

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