コンクリ製の農業用堰が倒壊 熊本市の天明新川、老朽化原因か 農家1600戸が取水できず

熊本日日新聞 | 2022年05月18日 20:23

コンクリート製の構造物が折れるように崩れた天明新川の「松の木堰」=18日午前7時ごろ、熊本市南区(県提供)

 熊本市南区奥古閑町の天明新川にある鉄筋コンクリート製の農業用堰[ぜき]「松の木堰」が倒壊しているのを、県や管理者の市南土地改良区が18日確認した。けが人や周辺への被害は確認されていない。築64年が経過しており、県は老朽化が原因とみている。

 県農地整備課によると、川を横断する取水堰本体(長さ約39メートル、高さ11メートル)の中央部分が約20メートルにわたって崩落した。開閉式の取水ゲートの基礎部分から崩れており、老朽化や有明海の海水の影響で劣化し、自らの重さに耐えきれなくなったとみている。

 18日早朝に近くの住民が見つけ、市南土地改良区に連絡した。県は堰の周辺にバリケードを設置して立ち入りを禁止し、崩落箇所の撤去に着手。作業は5月中に完了する見通しという。

 松の木堰は、県が天明新川下流に1958年設置。老朽化が進んだため、85メートル下流に県営事業で新しい堰の建設を進めていた。普段は市南土地改良区が管理し、これまでの主に目視による点検で倒壊の危険性は確認されていなかったという。

 取水した農業用水は、コメ農家ら約1600戸が約千ヘクタールの農地で利用している。倒壊によって新たな堰が完成する6月中旬まで取水できなくなり、県は苗作りなどに必要な水を井戸や別の水路から賄うよう農家に要請する。(堀江利雅)

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